茅葺き屋根に住む人1

「住む人も家に負けない古さだと、障子戸脇にムシロほしつつ」 ムシロを干している光景を声を掛けて撮影させてもらう。 家も古いが住んでる人も古いよと言った、そんな取り交わした言葉はいつまでも記憶から消え去る事はない。

撮影場所 松江市の西郊外
島根半島には松江から平田、大社に掛けて茅葺き民家があった、今もあるが。 幅が20km程度の半島の南北に何筋もの谷筋があり小川が流れいる。その洪積地に小さな田があり人が暮らしている。 そのひと筋づつを松江から大社まで訪ね歩いた。



だご飾り
九州の一部に茅を束ねて棟飾りにする地域があるが茅は傷みやすいし、結構手間が掛かるので見かけなくなった。 「だご」は九州では団子の事である。
束ねて無造作に置くとか糸が絡まった時にも「だご」になったという。 職場は九州の人が多く、九州で勤務をしたこともあるのでだいたい話す言葉は理解できる。 ある時、九州出身の中年の人がこう言った。「こげん、針金をばダゴにしちょっち、どんげんにもならんとよ」 標準語で言えば「こんなに針金を絡めてしまってどうしようもない」になるのであろう。 話は余談だが、大分や福岡にはだご汁と言う郷土料理がある。我々のところの団子汁といえばスイトンであるが、大分、福岡のは麺である。山梨のホウトウそのものである。
穀物の食べ方には「粒食、麺食、糊食」があるのだそうだが、ホウトウやダゴ汁、スイトン、はっと汁、キシメンの類は糊食に該当するのだそうだ。塩を殆ど入れないので味がしみ込みやすく時間を置くと糊状になる。


「寝たきりにならないための散歩よと、言った老婆に笑顔見られず」
撮影場所 広島県大和町

93歳になると言う、息子が寝たきりにならないために外にでて歩くなり日向ぼっこをしなさいと言う。わたしと挨拶を交わし話をしている間も笑顔も微笑みも無かった。
笑いや微笑は「若さ」であると感じた。
ジョークや冗談を言い合って人を笑わせ自分も笑う事は生きていくために大変重要な事であると思った。 私も「寒い親父ギャグ」を連発して家族から笑いも取れずヒンショクを買っている親父である。 それでいて家内は近所の人の詰まらぬ駄洒落に大声を上げて笑っている。 他人には付き合いもあるので笑ってあげるのも潤滑油よと。社交辞令の笑いである。 人の笑いには三つのパターンがあるそうである。

1.口と眼が同時に笑う・・・・愛想笑い
2.眼が先に笑う・・・冷ややかな笑い
3.口が先に笑う・・・・楽しい笑い



「日中の寂しさ紛らす相手にと家族に犬をプレゼントされ」
広島県豊栄町

茅葺き民家でお婆さんの日中の相手をするのは小型犬である。




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