茅葺散策の旅8

散策2日目〔兵庫県・大阪府・岡山県・鳥取県〕
本日も早朝5時30分の出発と成った。三田市のホテルから少し走ると、宝塚市の波豆で雰囲気の良い民家と出逢う。今朝は猪名川町上阿古谷のアトムさん推薦の角屋の民家に向かう。到着が早すぎたのか?家人が起きている様子が無い?しかし田植え用の苗が門の手前に用意してあった。あちらこちらで田植えの準備が始まっていて、「しろかき」をしたり、田植えをしたり、農家は猫の手も借りたい状態で、連休もゴールデンウィークも無い。 阿古地区の角屋はとにかく建っている条件が素晴らしい、自宅の直ぐ横に池があり、写真マニアならぬ夢想庵でもそのロケーションの良さを充分感じられた。家人と話せなかったのが、残念だった。

今が田植えの時期なら、大阪府能勢の棚田と茅葺きの民家の写真を撮ろう。夢想庵得意の番外予定外行動?、予定変更で能勢町長谷区に向かう。田植えはしていなかったが、しろかきが終わり田植えをまつばかりの棚田に茅葺の民家が映えていた。長谷区周辺の民家や棚田を9棟ばかり写真に撮り三木市経由で小野市に向かう。中番町の奥田家に着くと、若奥さんが草むしりをしていた。 挨拶をして撮影許可を貰い写真を撮る。ポツポツと写真を撮りに来る方達が居るが、どの様にして民家情報を得るのか?と質問された。私の場合、神戸のアトムさんからの情報で、兵庫県では外せない家だと教えて貰い、小野市は初めての訪問なのですが、スムーズに訪問出来た趣旨の話をした。洗濯物に子供服が干してあったので、銘菓「三春駒」を撮影のお礼に手渡すと家の写真を撮らせただけなのに、儲かった気分やわ。と奥さんが笑った。

そこから作用町を経由して千種町へ。作用町に入ると、やけに「ホルモン焼きうどん」の看板が目につく?吸い込まれる様に春ちゃんに入店。生の牛ホルモンを鉄板で焼きながらご主人の絶妙なトークに乗せられて、ホルモン焼きうどんを注文。値段も見ないで、2人前の注文だったが、私の物差しだと倍の4人前位の量があった。残したら目の前で焼きうどんを焼いている親父さんの叱られそうなのと、ここのホルモン焼きうどんなら幾らでも食べられる?と言う言葉に乗せられたのだろう?脅威の完食。1人前1200円、高いか安いか?は別として満足度は120%だった。

千種で5棟の民家と出逢い、岡山県西粟倉村に向かう。谷中の中島家のほか塩谷では、洗濯物を干すお母さんに撮影の許可を貰い、2棟並びの民家の写真を撮る事ができた。

西粟倉村から本来は鳥取県八頭町や若桜町の散策予定だったが、ホテルを米子市に取っていたので、八頭、若桜町をパスして智頭町の東宇塚と西宇塚に立ち寄り米子市のホテルに向かった。

智頭町東宇塚の赤○家は数年振りの訪問だった。前回は夏の暑い時期の訪問だった。今回、お邪魔すると、平入側に足場が組んである。敷地内に入り「こんちは」と挨拶をすると、奥さんが縄をなっていた。屋根の修理をするんですか?そう表側だけだけど葺き替えると言う。差し茅ですか?違う、片側だけ全部茅を剥いで葺き替えるとの事。明日、茅手さんが来て屋根の茅を剥ぐと話してくれた。一日遅れて訪問すれば、茅を剥いで居る所の作業が見れたのに残念です。

所で、前回お邪魔した時、赤○さんのお爺さんに親切にして頂き、色々話もしてくれましたが、お元気ですか?お爺さんは86歳になるが元気で、今は屋根葺きに使う竹を獲りに行っているとの事だった。遅くても、1ヶ月後には黄金色に輝く赤○家が復活する。

○茅葺の家は、家族構成や生活環境の急激な変化やご近所同士の互助制度の「結い」が無くなり、冠婚葬祭もホールや式場で行うようになり、タダだった茅が高価な物に成り、「結い制度」が崩壊、今後、茅葺の民家が今世紀を生き抜くのは相当に困難な状態だ。しかし、私は人の住まない民家〔展示型指定民家〕には、あまり興味が無い。 人が住まない民家、生活の匂いのしない民家は、箱物行政と同じように思う。人が住んでこそ民家なのである。

高断熱高気密住宅と比べると話しに成らないくらい不便な茅葺の民家たちは、今後、益々その姿をトタン葺きを含め現代生活様式を取り入れながらその形を変化させていく事だろう。まともな〔建築当初の様式を残す〕民家は今後残るはずが無い状態ではないか。前項にも書いたが、タダの物や人の手が一番高価になって、囲炉裏が無くなり、生活様式は現代版最新型では屋根の傷みも、かなり早く進む。

私はこの状態〔茅葺民家の今〕を記録したいとは、あまり思わない。自分勝手な趣味の世界だ。資料としての文献は100年近く前から、偉大な先輩達が沢山残してくれた。ただ、純粋に茅葺民家達の今を見たいだけなのである。

米子タウンホテル 18時50分着  本日の走行450キロ  鳥取の情報は桃太郎さんのご縁で知り合った、鳥取県在住の○山さんからの情報での散策だった。メールのやり取りで、東宇塚の赤○宅の事を書いたら、随分奥まで行かれてるんですね。と感心?された。明日の朝は午前5時 鳥取県日南町からの散策だ!出逢った民家 40棟
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