福島県・下郷町

下郷町の民家
2006年12月2日、新潟県、月岡温泉からの忘年会の帰りの磐越道は河東から猪苗代まで今年初めての積雪だった。ここに紹介する民家は茅手さんの自宅です。
前から気には成っていた家だが、なかなか家主さんとお会いする機会がなく話しも出来なかったが、今回、運良くご主人とお会いする事が出来た。下郷町の民家と言えば、すぐに大内宿を連想しがちだが、どうしてこの町には未だに比較的多くの茅葺の民家達が残る。
正面が兜作りの大きな長屋門とでも言うのだろうか?母屋もこの地域特有の直屋です。小雨が降っていた。こんにちは。お話を聞かせて貰えますか?立派な門と自宅ですね!今年屋根の差し茅をしたんですね?ああ!俺は茅手だから仲間の手を借りて差し茅をしたよ。金が掛かってしょうがねぇ~!今の時代、茅屋根の家に住んでる人は、金持ちか貧乏人しかいねぇよ。俺は貧乏人の方だな?と笑いながら話してくれた。この長屋門の様なくぐり門と蔵が繋がった造りの建物は素晴しいですね!と話したら、この地区は、明治に大火があり多くの家が燃えたんだ。残ったのは、この家と隣の家だけがそこの水路のお陰で火災を免れた。その時、俺のオヤジがこの門の正面左に繋がっていた板倉を火災に有った親戚にくれてやったんだ。
建築当時のままなら文化財に指定されたかもしれねぇな~。と話してくれましたが、右手が土蔵、中央がくぐり門、左側が板倉!話の通りなら文化財?もうなずける。何処から来たんだ~。と聞かれ「いわき」です。と答えたら、いわきにも仕事に行ったなぁ~!いわき市暮らしの伝承郷の保存民家の屋根葺きも、俺達会津の茅手の仕事だよ。
その他、前沢集落、水引集落、大内宿。もう俺は歳だから引退だよ!と寂しそうに話してくれた。下郷を含め会津の茅手の育成は、上手くいっているのだろうか?俺が死んで息子達が戻ってくれば、この家もどうなるかわかんねぇ~な?話に夢中になり気が付いたら、ずぶ濡れだった。
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