日本脇道紀行2

かつらぎ町は正月用の串柿の生産が有名である。
これが干された風景を撮影する。 串柿に使う柿は小ぶりな柿である。 柿の数は10個である。10個の意味は両脇二個づつと中の六個に分けて「夫婦(ふう、ふう)、仲、睦(六つ)まじく」だって 最近は正月飾りをする家庭が少なくなり 生産調整をしているそうだ。

「夫婦仲睦まじく」のよう民間の言い伝えは面白いものがある。 出雲大社のお賽銭は5円、25円.45円 ご縁がありますように、にじゅうにご縁がありますように、始終ご縁がありますように等 ボランティアガイドの話を聞いているとこんな話が多く結構面白い、集めれば話のネタに欠かせない。 こんなのもあったひび割れた大木をお寺に置いてあった。木の割れ目に五円玉が挟んでである。「割れ目にご縁がありますように」だって 私も家内の眼を気にしながら五円を差し込んだのは言うまでもない。


美山町に泊まる早朝明るいので窓から外を見ると薄く雪が降っていた。
日の出前に撮影に出かける。
雪も鮮度が必要、解け始めた雪は美しくない。






正面から撮影したら平凡な絵にならない家であった。
私は一軒の家を撮影するのに最低20分は掛ける。住人の方と話し込んだりすると一時間以上かける。住人も被写体にするためと話のネタ(紀行文に書き留めるため)を仕込むためにこの時間は仕方ないところである。 遠近表裏ぐるりと家の回りを一周する。
少し離れたところに舗装していない道と雑木並木があった。 それは懐かしい郷愁の風景であった。


私の茅葺き民家の写真は裏か横からの写真が殆どある。
正面からは絵になる家が少ないからである。 殆どの茅葺き民家は背後に山や斜面になっている事が多く、立体的に奥行きを持たせる写真にするには高台から撮影のが自然である。 また民家の正面から撮影すると21世紀が写り込むのである。
(車やBSアンテナ、電線、サッシ、ポスト)
カラー写真の場合は撮影した時代を隠しようがない。
だから私は白黒をメインにカラーは補助的に撮影している。


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