草屋根と茅葺屋根

草屋根・くずや・わら屋根・茅葺き屋根などと呼ばれるこれらの屋根に使われる草は、
普通、ススキ・ヨシ・アシ・カルカヤ・などと呼ばれるもので、屋根に使うものを総称して、茅・萱と呼ぶ。
日本は「豊葦原の瑞穂の国」と美称されたように、これらの草が豊富に生えていた。 それが密集している採集地を「茅場」と言う。陸地に生える物を山茅、水辺に生える物を、海「湖」茅と呼び、後者の方が丈夫だと言われる。
これらの代用として、小麦藁、稲藁も使われた。
稲藁は傷みやすいため使う時は水切れが良いように、穂先を下にして葺き、これを逆さ葺きと呼ぶ。 逆さ葺きは沖縄周辺でも実在した。南東北では、茅の節約のため、軒先の内側に使う場合もある。 このほか北陸・能登・東北等では、熊笹を茅と混ぜて使ったとされている。
また、栃木県鹿沼地方などの麻の産地では、麻の皮をはいだ後の麻幹「おがち」を使った麻幹葺きもあった。 茅葺きの民家をただ眺めているだけでは、どれも同じ様にみえるが、その葺き方は多種多様で地方によっても異なり、杉皮葺き、桧皮葺き、こば葺き、スレート瓦、等々多くの種類や流派があって、親方は弟子を教えて育てて仕事をさせ、使う道具も各流派により独特のものを使っている。
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