福島の茅手「いわき」

2009年10月10日朝、お世話に成っている、新谷窯の奥様から電話を頂いた。今年、茅屋根の修理をする時には、申し訳けないが写真を撮らせて欲しいとお願いしておいたからである。

最近では、茅手さんの仕事を目にする事は、めっきり少なくなったし、話が出来るなんて事は、宝くじに当たった様な気分で、秋刀魚の干物をお土産に新谷窯に向かった。

ナナッ何と!茅手さん達は簡単な足場を針金も使わず、荒縄だけで固定し作業をしていた。挨拶して撮影、10時の休憩の時に話が聞けた。福島県中に近い、田村市から来て、私のHPにもリンクしているが、谷地温泉 石川屋の泊まっての仕事のようだ。 お昼に、屋根の修理の話や私の趣味の話をしたら、茅葺民家模型を是非見たいと言われたので、3時の休憩の時に、恥ずかしながら、プロの茅手さんに見て頂いた。関心され良い物を見せて貰ったよとお礼を言われ、屋根に上れなくなったら、弟子にしてくれと笑いながら話してくれた。 茅手の仕事は、半大工も出来なくては成らない。棟を取ったり直したりと大工仕事も多くある。要するにそれなりの大工仕事も出来ないと駄目だという事だ。

今回の修理は正面から右側の部分、工期は7日~8日との事、私は10日11日12日に邪魔にならない様に伺う事にした。来週は山形、青森、宮城で3泊の仕事が入っているので、17日の朝に伺う頃は、順調なら、作業も終盤に差し掛かっているだろう。

  17日はやる心を抑えて新谷窯へ。足場もあと1段か2段で差し茅も終わる所まで来ていた。10時の休憩の時に話が出来た。親方が、この屋根は今まで、何人もの茅手が手入れしてきた。作業の仕方や仕上げ方が流派によって微妙に異なる。しかし絶対、前任の茅手の悪口は言えない。仕事をして、数年経ってから結果が出るのが茅手の仕事だと話していたのが印象的だった。

親方、若い頃は「やんちゃ」だったんでしょうね?と聞いたら、若い頃は勢いで仕事が出来たし、確かに暴れん坊だったが、修行時代、親方から歳をとったらヒイラギの様になれ!と言われたという。

ヒイラギですか?何時までもトゲトゲしくしろ?と言う事ですか?違う。ヒイラギの古木に成ると棘が無くなって来ると言う。しかし、古木でも一番上の新芽は少し棘があるんだ。と笑った。

今年、80歳になり尚、現役茅手の親方の鈴木さんと島貫さんまた来年、新谷窯でお会いしましょう。

オオッ!来たか!夢想庵さんが来ると明るく成るし、色々な話が聞けるから楽しいよと親方が言う。私は親方から、茅手の仕事話しや裏技の話が聞けるのが楽しみです。今日は、女房が作った鹿児島の知人が送ってくれたサツマイモ、紅薩摩のお惣菜を持ってお邪魔しま~す。
新谷窯
夢想庵の模型を見る
左:島貫さん 右:親方の鈴木さん
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