農家民泊3 ~農家民泊&お食事処完成~

過去2回このコーナーで書いて来たが、農家民泊とお食事処の開店が当初の予定8月中旬から大幅に遅れて10月中旬オープンとなった。私としても、色々な経緯もあり気になっていたので、女房に付き合ってもらいお昼を食べに出かけた。

自宅から40分位、かかる過疎の進む田人町にオープンした民泊レストラン、料理も当初の計画通り、天ざる蕎麦を格安で食べさせてくれるのだろうか?不安と期待を込めて現地に向かったのである。 現地到着!私達がその日最初の客だった。メニューを見ると、私が以前に聞いていた話とは、少し内容が違う?「ざるそば」は有るが天ざるは無い?○○定食1260円也を注文した。田人で採れたカボチャ、こんにゃく、大根、にんじん等を炊き込んだ地産地消を地でいく食材の炊き合わせに下鼓をうち、ご飯をお代わり!満足していると、今度は「ざるそば」が出てきた。このレストランの運営責任者の方からの心づくしのようだが、その前にご飯をお代わりして食べてしまった後だ!○井さんこれは無いよ?それならそうと、最初に「ざるそば」を試食していって下さいと言ってくれれば、ご飯のお代わりをしなかったのに~!これは、イジメだな〔笑〕何て言いながら折角だからご馳走になった。感想は十割そばだが、機械打ちで可も無く不可もも無く、個性も無い「そば」に感じた。

昔、喜多方のしぐれ亭の志村ママが話してくれた事がある。そば打ちは、打ち手の心尽くしや美味しい蕎麦をご馳走したいと言う気持ちが入るから美味しい蕎麦になると・・・機械には気持ちは無いように思う。それなりの蕎麦ならここまで時間をかけて来なくても何処でも食べられると思うのだが・・・どうなのだろうか?

床が抜ける寸前だった各部屋は綺麗に、リフォームも終わり、一段落したように見えるが、ここのスタッフの方達はこの山間地区の冬の厳しさを知らない。玄関の土間から板の間、厨房を除き、囲炉裏のある食事の場所まで、開放された室内。夏は風通しも良いだろうが、東北の家は冬に合わせて造らなければ成らないのである。リフォームも同じように思う。

この開放感のあるリフォームでは、燃料が高騰している昨今にはそぐわない。多分この冬の灯油代(光熱費)が相当経営を圧迫しそうである。早急に各部屋を仕切れるように襖なり障子なりを用意しなければならないだろう。

山形県赤湯温泉の「瀧波」に宿泊したことがある。瀧波の母屋は米沢上杉藩時代の庄屋の屋敷を移築復元した建物です。古民家ファンの夢想庵にとっては大好きな旅館だが。天井の木組みを見せるために、シーズンを通して光熱費、冷暖房費がかなり大変だと支配人が話してくれた事を思い出した。間もなく寒さも増して来るだろう。築数百年の家に趣味や道楽で住むなら生活環境も田舎暮らしと割り切り楽しみに思える事もあるだろうが、お金をいただいての宿泊やレストランとなると、古い家で不便を体験するのが全てと言う客ばかりでは無いだろう?あるいは、古い家で快適な食事や宿泊を望む方達も多い様に思う。そして、日中、体験農業や稲刈りや畑仕事などの体験が出来れば、リピーターも増えてくれるだろうか?

快適に慣れすぎた現代人には、不便には中々戻れないように思う。また、不便を楽しんで来てくれるお客さんだけで食べていけるなら、問題は無いのだが・・・世の中そんな方達の方が少ないと思うのだが??

宿泊は、未だの様だ、現在はレストランの方はそれなりにはお客さんが来てくれているが、市内から1時間近くもかけてお客を呼ぼうとするなら、些かメニューに「パンチ力」が無いように感じた。正直、旬の野菜を食べるなら自宅でも食べられる。今はスーパーでも、地元の農家の方達が作った農作物が売られている。やはり「蕎麦」を極めるべきだろうと思う。いわきには、そんなに美味しい蕎麦屋さんが少ないから、蕎麦料理をメインの「そばがき」の素朴な味をいわき人達にも知って欲しいものだ。

蕎麦をご馳走になり、雑談していると運営責任者の彼女が急に涙顔になった。夢想庵さん、よく来てくれました。お食事処の開店時に挨拶に伺おうと思っていたんですが、、、、失礼ばかりして申し訳有りませんでした。と大粒の涙をこぼして再度、私に謝罪した。

やめて下さい。以前にもお話した通り貴方達〔ステーキハウスの社長と運営責任者〕には、以前も今も何の不満も有りません。ただ、パン屋のお父さんの言動に傷ついただけですし、成功して欲しいと思ったから、申し入れがあった時も協力しようと思ったんですよとお話した。

彼女の涙の謝罪に心打たれ、以前用意した照明を無償で今からでも取り付けしてやろうか?と言いそうに成ったが、言葉を飲み込んで帰って来た。 次の日、古い和紙で出来た本をプレゼントした。ばらして、納戸の戸の部分に貼れば、少しは暖房費の節約に成るだろうし味もある。と作業の仕方を説明して戻った。

しかし何だなぁ~?あれほど怒り心頭で、パン屋のお父さんが謝りに来なければ、絶対に協力は出来ない!と、つい先日もステーキハウスの知人に電話で話したのに、彼女の涙でその怒りが何処かに行ってしまった〔笑〕これからも、応援しますからと話した。

元総理、小泉さんの女性の涙には適わない。昔、明石家さんまが、「女の乳房にゃ~適わない~♪」と歌っていたような?どちらも、間違いない!
inserted by FC2 system