農家民泊2

農家民泊と地物料理と蕎麦のお店作りも、大分進んだある日、ステーキハウスの経営者の知人から電話が入る。夢想庵さん古民家の梁をぞうきん掛けしたが、白カビのような物が落ちない?どうすれば良いの?との電話だった。自分の自宅は、○○を塗装したが、再生の民家には ○○で良いんじゃないの。機会が有れば、私の自宅の梁を見に来れば仕上がりの状態が見えるよ。

それじゃ~!今からお邪魔したら怒りますか?良いですよ!てな事で、知人と農家民泊の運営責任者になられる女性と2人で私の自宅に来られた。

梁の塗装の話から、古民家室内の照明やディスプレイの話しになり、私の模型展示スペースにも案内すると、自在鉤を譲って欲しいと言い出したので、売る為に買い求めた訳ではないが、私の買値でならお譲りしましょう。私も古物商の免許は持っているが、好きで集めた物だから売る気には成れないが、多くの人達の目に触れる事に成るだろうし、雰囲気もピッタリだから、お譲りしましょう。と言う事に成った。

それから、玄関土間の照明が良い物が無いですか?ううぅ~ん?昔、学校、病院、役所で使われていた、天井から鎖でぶら下げるタイプの大きなペンダント式の古い照明なら2個〔直径35㎝〕あるから、上下にアクセントをつけて吊るせば良いんじゃないの?とその照明もお見せした。2人にも気に入って貰い、取り付けまでお願いしたいと言われ、些か困惑したが、当初の約束通り、出来る事は応援してやろうと了解した。

しかし、今回の古民家再生工事も問題が発生しているらしい?本人達はリフォーム感覚での工事だったが、役所から言わせると、確認申請をして貰うレベルの仕事だと言われて途中で工事は中断を余儀なくされている様だ。個人の住宅ならまだしも、マスコミにも取上げられる位だから、それだけ役所も注目していると言う事なのだろうか?そんな訳で、当初の開店予定より1ヶ月位ずれ込む様な話しをしていた。また懸念していた通り改造費も当初の予定の倍近くの金額がかかりそうだと嘆いていた。

この農家民泊と農家レストランは3人の有志の出資でのスタートだと聞かされた。6月末の新聞にも載っていたが、千葉県松戸からの移住者〔無添加パンの製造販売〕の方と私の知人〔ステーキハウス経営〕と元会社員でこの宿泊施設の運営責任者の女性との3人との事。知人とと運営責任者の方が我が家を訪問してくれたのである。

古民家横には立派な蔵があり、展示スペースとして開放していきたいと話していたが、そこの間接照明も欲しいと言われ言葉を失う〔笑〕それから友人宅の倉庫に置かれている、会津から運んできたガラスや戸を見て貰い、ダイヤガラスや格子戸など再生に使える物は、後日、確認して無償で差し上げる約束をして別れる。

茨城県常陸太田の専門店に行って、鎖、配線〔耐熱線〕電球、ブラケットを買い求め玄関照明の格好は付いたが、さて鎖の長さが問題だ?いくらボランティアに近い状態での仕事でも、誰に見られてもしっかりした仕事をしないと、自己満足では済まされない。田人まで出向くと戸が開いていた。中に人影が?一目で3人の有志の中の一人だと思った。スミマセン!○○さんに頼まれて玄関の照明の鎖の寸法を測りに来ました。

電気?電気は地元の業者を使うからいいよ!しかし、それより安い価格でもやるんなら、やらせてやるよ!私は、○○さんの依頼で来てますから、○○君は何て話しをしているか知らないが、この工事の責任者は自分だ!安くやるんなら、やらせてやる!と2度言った。〔カチン!と来た〕私は自分で自己紹介をして、ここまで来た経緯を話している。商売ではないから、やらせて下さい何て言う気も無いし、○○さんからの依頼だったので、これ以上話しても、前に進めない、、、、ゴメンナサイ、失礼しますと挨拶して帰宅した。

彼に知人の○○さんから話が通っていたか否かは問題ではない。仮にも自分でも商売をしていて、70歳を過ぎ今、人生の仕上げに入るべき大先輩の言葉だと思うと実に情けない限りの言葉だった。同志の○○さんからの依頼と最初から話しているのだし、人生の最終章に入りつつある大人なら、人の話をもう少し真面目に聞き、違う話し方も有るだろうに?話しも、ろくに聞かないで、安ければ「やらせてやる!」といった、傲慢な言い方をされ、大柄な私の小さな心も傷ついた。

新聞では5年前、千葉県松戸市から田人町に居を構え、奥さんが松戸市で習っていた、無添加のパンがこの地区で評判になっているらしいが、自分達が使う材料も小麦粉が安かったら買ってやる!と言って仕入れるのだろうか??体に優しい天然酵母、無添加? 地産地消でないけれど、地元の業者さんを出来るだけ多く使い、見積りを取った中で、価格が合わなければ、価格交渉をするのは、順当だと思うが、価格が安ければどれでも使うと言う姿勢には、些か首を傾げざろうえない。

自分達の商売もこんな風にしているのだろうか?と疑ってしまう? 苫小牧の○ー○ホープと同じではないか?揚げ句の果てには安い物を求める消費者が悪い!何て言ってる何処かの社長と何ら変わらない。

たとえば、価格が多少高くても、地元の業者を使いコミにケーションを取り、上手に値引き交渉をしながら、そして地域の人達、お年寄りを巻き込みながらの地域振興を期待したが、残念だが「安ければ」、地元も何も無いような彼の口振りに悔し涙で自宅に戻った。

正直、古民家に新品のギラギラ照明器具で満足な方は新品を買えば良いと思う。私の場合は何十年、数百年、時代を見つめて生きてきた、ランプや陶磁器を見ていると愛しささえ感じる。汚れたランプや皿が手に入ったら一緒にお風呂に入る位だ。女房には叱られるが〔笑〕

どうせ譲るなら、古いものを理解し大切にしている方の所に貰われていって欲しいものだ。値段だけの事しか言えないトップがいるプロジェクトには、とても残念だが、頑固親父の無農薬米も紹介する気には成れない。米を買ってやるから安くしろ!何て言われた事には、私の立場も無くなる。

夕刻、ステーキハウスを経営する知人に電話をして、今回の出来事を話し、本当に残念だが自分と方向性が違う方がリーダーをしているプロジェクトには、協力は出来ないと話をした。一旦、電話を切ったが、すぐに電話が来て後日、伺いたいと話していた。 翌日、知人と運営責任者の方が謝罪に来てくれたが残念ながら再度、経緯をお話して今回の協力は断った。彼女は目に涙を浮かべ謝罪した。

双方の話を聞いてみると、この古民家再生工事や「古民家の宿、食事処」に対する3人の考えにズレが有る様に思えて成らない。リーダーは古い物を改築すればお客が来てくれると思い、宿泊を中心の経営を考え、外食産業出身の、もう一方の私の知人は古い物を手入れしながら、予算の範囲内で回りに協力して貰いながら雰囲気作りもして行きたいと話し、お昼の食事や宿泊者に食についても安全な物を格安で提供したいと話す。どちらかと言うと食に力を入れたい口振りだ。 三本の弓は結束していれば、威力も増すが、結束がまま成らないと何処に飛んでいくか解らない。地域振興としての本文を忘れ、利益のためだけの結束に成らない様に心から願っている。山奥のこの古民家で食事をするには、「安い、旨い」の他に、ホッとする雰囲気や空間、田舎の人情も提供して欲しいと思っている。

今日、あ○り○亭にランチを食べに行った。お昼の一番忙しい時期なのに、お店の人が○○さんに連絡したらしい。彼はニコニコしながら厨房から出て来て1時間近く雑談した。彼が狂牛病の問題でどれだけ酷い目にあって来たか、食の安全について、自分達のミスは何も無いのに店が潰れると言う痛い目にあった業者さんも多い事。○ー○ホ○プの偽装事件とは次元が違う。 別れ際に、喜多方市の私の大好きな志村さんのお店、そば懐石の「しぐれ亭」を紹介してきた。この女将さんこそが商売の神様のような人で、女将が言った言葉で忘れられないのは、一期一会。どんな名人が打った蕎麦より、心を込めて一生懸命に彼方の為に打った蕎麦は美味しいものだと・・・雪の中、会津大仏を案内してくれた事を、会津人であることに誇りを持っている事。久しくお逢いしていないが、宿泊施設の運営責任者の方と出かければ「もてなしの心」のヒントを貰えるかも知れない。

何処かの総理大臣が話してたな~!「女の涙には敵わない」しかしやはり「安くやるならやらせてやる!」と言う言葉がが許せない。体は大きいが器の小さな夢想庵なのである。しかし許してやれよ~!と天の声が聞こえる?理屈では、自分も大人気ないと理解できるのだが、お馬鹿な頭が理解出来ないのか〔笑〕
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